「売上No.1」「顧客満足度第1位」「医師の90%が推奨」

中小企業の社長の皆様、
自社のWebサイトやLPに、こうした表現は使われていないでしょうか。
もし経営者が「広告はマーケティング部門や代理店に任せている」と考えているなら、見直しが必要です。
No.1表示の問題は、もはや広告表現の話ではありません。行政処分、課徴金、ブランド毀損、取引先からの信用低下につながる「経営リスク」です。
消費者庁は2024年、No.1表示に関する実態調査を公表し、実際の利用経験を確認せず、Webサイトの印象だけを回答させるような調査を根拠とした表示などを問題視しました。
さらに2026年3月には、「イモトのWiFi」に関する表示をめぐり、1億7,262万円の課徴金納付命令が出されています。
経営者が理解すべき重要な点は一つです。
広告を作ったのが代理店でも、広告主としての責任まで外注することはできません。
「調査会社が大丈夫と言った」「代理店から提案された」では、会社を守れないのです。
そこで、今すぐ社内に指示すべきことは3つです。
第1に、No.1表示の根拠資料を自社で保管することです。誰を対象に、何人へ、いつ、何を質問し、何と比較したのか。調査票や集計データまで確認できる状態にし、「根拠は代理店が持っている」というブラックボックスをなくします。
第2に、注釈は「書いてあるか」ではなく「顧客に伝わるか」で確認することです。特にスマートフォンでは、注釈が小さすぎたり、スクロールしなければ見えなかったりするケースがあります。経営者自身が実機で見ることが重要です。
第3に、代理店や調査会社との契約を見直すことです。調査方法の開示、根拠資料の提出、法令遵守、問題発生時の責任分担などを明文化し、不適切な広告を最初から出さない仕組みに変えるべきです。
そして、さらに重要なことがあります。
安易な「No.1」に頼るマーケティングは、自社商品の本質的な価値を考えることから逃げる行為にもなります。
経営者が問うべきなのは、「当社は何がNo.1なのか」ではありません。
「なぜ顧客は、数ある選択肢の中から当社を選ぶのか」です。
品質なのか、技術力なのか、対応力なのか、納期なのか、社員の専門性なのか。そこを掘り下げれば、ランキングに頼らない本当の競争優位が見えてきます。
No.1を捨てることは、
マーケティングを弱くすることではありません。むしろ、競争戦略の原点に戻ることです。
広告コンプライアンスは法務だけの仕事ではありません。「何を、どこまで、どの根拠で社会に約束する会社なのか」。それを決めることこそ、経営です。
本日も最後までお読み頂き、有難うございました。
川添

