日本の社会保険料についての独り言

私は、日本の勤労者、とくに低所得層にとって社会保険料の負担が重く、手取りの伸びを大きく圧迫している点が重要な問題だと思てます。
今年の1月に起業したばかりの私ですが、社会保険料の負担がこれほどなのか!と実感しました。企業に勤めているときにはそんな実感はありませんでした。これはある意味教育の問題でしょうか。
日本では税、社会保険料、児童手当などの給付がそれぞれ別々の制度として設計されてきたため、家計全体で見た実質的な負担の重さが十分に検証されていないのだと思料する。
一橋大学の翁先生の研究によると、税や社会保険料から現金給付を差し引いた額を年収で割る「負担率」に着目し日本の勤労者世帯の実態をOECD平均と比べると興味深いデータが得られています。その結果、日本では社会保険料の負担が高い一方で、低所得勤労層への支援が弱く、特に生活保護水準を少し上回る層で負担率が高くなっていることが分かる。勤労手当がなく、児童手当も十分ではないため、収入が増えても手取りがなだらかに増えず、かえって働く意欲をそぐ恐れがある。この問題は共働き子育て世帯だけでなく、単身世帯にも共通しているはず。
この状況への打開策として、中小企業において、生産性向上を通じた実質賃金の持続的な上昇が必要だ。あわせて、医療費の増加を抑えて健康保険料の上昇を防ぐことや、負担能力のある高齢者に応能負担をより求めることも優先度は高い。
さらに何より必要なのは、低所得勤労層を直接支援する新たな制度を整えることだ。米国の給付付き税額控除や英国のユニバーサルクレジットのように、就労を促しながら再分配を行う仕組みは、日本でも参考になると考える。
制度設計にあたって私は、年収に応じて手取りがなだらかに増える仕組みをつくり、負担軽減と就労意欲の維持を両立させるべき。
日本では「年収の壁」により女性が就労調整をしやすいため、支援は世帯単位ではなく個人単位で行い、単身者、一人親、既婚女性など世帯類型を問わず支えることが望ましい。
また、必要な人に迅速かつ的確に支援を届けるためには、所得把握の精度向上やデジタル基盤の整備も欠かせない。
私は、新たな支援制度だけで全ての問題が解決するとは考えてはいない。生活保護との接続、既婚女性の就労調整、基礎年金の充実、医療費抑制など、税と社会保障を横断する改革を継続して進める必要がある。真に支援が必要な勤労層に的確な支援を行うことが、公正な再分配と持続的な経済成長の両立につながると信じてます。

